（株）エース・プロモーンの開設当時のマネキン業界の事について触れながら、49年の歴史を振り返りたいと思います。

【マネキン紹介事業協会との出会い】

（社）全日本マネキン紹介事業協会に入会するためには、会員２人の推薦を受けなければなりませんでした。幸いにも、古い先輩から快く推薦していただき入会することが出来ました。

その当時は、女性の経営者が８０パーセントを占めていていました。家内工業的な会社が多く、電話１本で会社が成り立っていた時代でした。

私が入会した昭和48年は、オイルショックで経済不安定でしたが、先輩の皆さんは景気が良かったのか、高価なアクセサリーをつけて、着飾っていました。
その当時の入会者では、若い男の経営者はいなく、私は常に注目されていて、業界のために若者らしいアイデアを要求されて、若くして理事に推薦されました。会社の経営と業界の運営の手伝いに邁進し、若くして人との繋がりの大切さを知りました。

北海道から九州までの総会と懇親会のために、年に一度ある会に幾度となく参加して、同業者の交流を深めて行きました。今にして思えば、右も左もわからない業界に入って、ここまでやって来れたのは、業界の手伝いをしたことによって、人のつながりや、ビジネスモデルの仕組みなど多くの素晴らしい経験を得たことが大きかったのではないかと思います。
そして、これまでの企業努力で、平成元年頃には、弊社開設以来の売り上げを示しました。

東日本大震災後、暫らくは売り上げを落としましたが、徐々に回復して、現在は安定して来ております。
平成９年に規制緩和されてから、我々マネキン紹介業界も大きく変化してきています。

どんな業界でも、「弱肉強食」の世界はありますが、現在は大手の人材派遣に我々の弱小業界を脅かされています。
でも、大きくなくても、私が常に心がけている事は、仕事がなくて職を求めて来る求職者に、快く適材適所の仕事を提供出来、生活の安定が出来れば最高だと思っています。
それに求人先からの販売員の依頼に、迅速に適任者を紹介する事が私の使命だと思っています。

私がマネキン紹介事業協会に入会した時に、お世話になった多くの大先輩たちは、殆どの方々が廃業して、この世を去っています。これから私が出来る事は、大先輩の過去の事を回顧して、これからの会社経営に生かしていきたいと思っています。
私は人が好きで始めた会社ですので、何時も、生きている喜びを「求人者・求職者」に与える事が私の生き甲斐です。

【マネキン紹介事業協会の組織について】

平成９年１０月１日現在のマネキン紹介事業協会を参考に、組織を詳しく記します。

日本全国で、組織が大きいので、北海道連絡会・関東連絡会（第一ブロック・第二ブロック・第三ブロック）・神奈川連絡会・東海連絡会・関西連絡会・九州連絡会で運営されていて、私は関東連絡会第一連絡会に所属していました。
会員数は、北海道連絡会２３社・関東連絡会１２９社・神奈川連絡会１７社・東海連絡会２２社・関西連絡会６２社・九州連絡会３３社合計で３３６社です。

協会の目的は、マネキンとして働く者の地位と向上と雇用管理の近代化及び福祉の増進並びにその雇用主に対する雇用の促進及び雇用の創出を図ると共に、マネキン紹介所の健全な発展を図ることを目的とする。協会は、目的を達成するため、下記に事業を行う。

①マネキンの技能の向上及びその雇用管理の近代化を図るための事業。

②マネキンの雇用主に対する雇用の促進及び雇用の創出に関する事業。

③マネキン紹介所の健全な運営と発展に必要な事業。

④マネキン及びマネキン紹介事業に関する出版物の刊行及び広報事業。

⑤その他本協会の目的を達成するために必要な事業。

このような事業目的で、各連絡会が持ち回りで、１年に一度総会を開催して、決算・事業報告をした後に、懇親会を開催しました。

総会では総合司会や親睦会司会も何度もやりましが、皆さんが楽しんでいただければと、何時も快く引き受けていました。各連絡会の企画で、２泊３日の観光旅行があり、有志の参加ですが、私も何度か参加しましたが、親睦のためにも大変有意義で楽しい会でした。

協会の役職の時は、「全紹協広報」を担当して、会員の投稿を皆さんにお願いして、内容の良いものに仕上げる努力しました。

マネキンの教育の担当もしていましたので、専門分野の講師や労働局の担当者にもお願いして、現場に生かせるようにし、受講証明書も発行しました。求人者との手数料に絡む件も、協会代表で数人で折衝した事もありました。

私はマネキン紹介所の発展のために、瞬時を惜しまず協会の為にも協力したつもりですが、近況では現在の会員数は、北海道連絡会３社・関東連絡会（東北）２社・関東連絡会３７社・神奈川連絡会８社・東海連絡会８社・関西連絡会２２社・九州連絡会１２社で合計８４社で、平成9年10月と比較すると、四分の一に激減しています。

少子高齢化、後継者の事や人材派遣との問題等それぞれの悩みはを数多く抱えての事と思いますが、それにしてもマネキン紹介所がここまで激変しているのは心配です。

現在、全日本マネキン紹介所事業協会に入会しているデーターなので、元々入会していない紹介所や退会した紹介所もあるので、実際はこの数よりやや多いと思います。どんな時でも「求人者・求職者」のバランスを取って、皆様に心から喜んでいただけるように努力してまいりますので、これからもよろしくお願いいたします。

【マネキン紹介事業協会の歴史と時代背景】

私は今回、マネキン紹介事業協会の歴史を振り返りながら、時代背景を加味しながら、協会との関わりを述べたいと思います。

現在の全日本マネキン紹介事業協会が「公益社団法人」に認定されたのが平成25年4月でした。

新職業としてマネキンが誕生したのは、世界恐慌が始まる昭和４年事のようです。

■終戦後の昭和２３年３月

職業安定法が施行されました。

 ■昭和３２年１０月

「東京都マネキン斡旋業組合」が設立され、ソ連が世界初の「人工衛星」打ち上げに成功した時でもあります。

 ■昭和３５年１０月

「全国マネキン紹介所連合会」と改組されました。

 ■昭和３４年

「皇太子明仁親王ご成婚」でカラーテレビが放送開始されて、マネキン業界が大きく変化して来ました。

 ■昭和３９年１０月

「東京オリンピック」開催によって、需要と供給のバランスが大変良くなったようです。

 ■昭和５５年１０月

「社団法人」認定を受けて、後に「公益社団法人」取得して、現在に至っています。

■私が昭和４８年３月９日

個人会社として「エースマネキン紹介所」を開設しました。

その当時は「オイルショック」で世の中が不況の真っただ中でしたが、大きな夢に向かって、基礎作りに邁進しました。求職者開拓のために、某新聞に求人広告を出しましたら、多数応募があり、しばらくはこれを続けて、求人者は知人が沢山いたので、協力をしていただきました。マネキンとして、紳士服や婦人服等、他の商品も販売していました。

■昭和４８年４月

マネキン業界の内容を知るために当時の「全国マネキン紹介所連合会」に入会しました。この会は全国組織で、有志の事業者が「業界の経営論」を皆で検討して、研究する会です。

■昭和５０年１０月

「株式会社エースマネキン紹介所」に法人化しました。

■昭和６２年６月～平成元年５月

マネキン紹介所事業協会の常務理事に就任して、北海道から九州まで各連絡会の主催の会に出席して、マネキンの教育や求人先との連係プレーの仕方等、その都度テーマをつくり、親睦を兼ねた会にしていました。

■平成５年６月～平成９年５月

監事や理事を続けて、マネキン業界の未来に繋げる為の内容を研究して、発表しました。

求人先との折衝がなかなか困難な事がありましたが、個々に求人先が違う為に、ファッション関係、食品関係等と担当者を決めて、折衝して成功した事が沢山ありました。

■平成９年

この業界も規制緩和によって大きく変化すると思い、平成９年１１月に「株式会社エース・プロモーション」と社名変更をしました。

【労働大臣表彰を受賞】

業界役職に貢献したのか、平成８年６月６日に全国で一番若くして「労働大臣賞」を受賞しました。受賞の「よろこびのことば」と業界紙５０号に、第５号「全紹協広報」に、新年の挨拶を私が毛筆で書いたものが掲載されて、第１１号（昭和６０年１１月号）には、表紙に「色紙」毛筆で、裏面に「表紙のことば」を書いています。

私が「マネキン紹介事業協会」の会員になり、協会の役職に就いた事も、私がこの業界で41年目になりますが、事業運営では為になっています。私が「労働大臣賞」受賞した時の会員数が、336事業所でしたが、最近では１００事業所を切っている状態です。このような状態は、我々のマネキン業界が衰退化しているものと思い、弊社は少子化のための対策を考えて、様々な方法論を模索しています。

今思えば、平成９年に規制緩和されたこの業界は、人材派遣業会社など多数社が開業して、マネキン紹介の許可を取得して、その会社がマネキン紹介業も兼業しているので、我々の業界は経営が圧迫されているものと思います。

どんな時でも「求人者・求職者」の立場に立って、日頃、真摯に対応していれば、必ずや良い未来に繋がって行くものと思います。天候不順の折、皆様の健康とご健勝を心より祈念いたします。

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